はじめに
Windowsパソコンのユーザーの多くは、OSが提供しているデスクトップを重要なインターフェイスとして使っています。デスクトップはパソコンを起動すると、一番最初に見える大きな面積を持った領域ですので、ここをユーザーに使わせようとしたのは自然なことだったと思います。
しかし、これが今でも本当に便利で効率的なインターフェイスなのでしょうか?私は、以前よりこのことをずっと疑問に思い様々な方法でデスクトップより便利なインターフェイスを模索してきました。今回、この記事を書くに当って改めて方法を見直したたころ、もっとよいと思われる新たな方法が見つかりましたので、そのことについて説明します。
1.デスクトップとは?
そもそも、デスクトップとは何でしょうか?特別な表示領域のように思っている人もいると思いますが、実は単なるフォルダの一つです。つまり、デスクトップ領域全体に大きく表示されるようにOSで設定されているフォルダということです。
2.デスクトップは使いやすいのか?
では、毎日頻繁に使っているデスクトップは使いやすいインターフェイスなのでしょうか?実際にデスクトップを使っているユーザーの操作を見ていると、とてつもなく無駄な作業をしているように思います。例えば、デスクトップに登録しているアプリのショートカットをダブルクリックして起動する手順を見てみると、次のようになっています。
①作業中のウィンドウを最小化する
デスクトップは一番下にあるので、現在起動しているアプリを最小化しないと見えません。デスクトップの目的のアイコンが見えるまで、繰り返し起動しているアプリを最小化します。
②アイコンをダブルクリックする
起動したいアプリのアイコンをダブルクリックします。
③必要であればウィンドウを元のサイズに戻す
最小化した作業中のウィンドウで必要なものを元のサイズに戻します。
単にアプリを起動するために、場合によっては10秒以上の労力をかけています。アプリの他、登録しているフォルダやファイルのショートカットを起動するのも同じ作業が必要です。このように実はデスクトップは非常に使いにくいインターフェイスなのですが、今でもほとんどのユーザーがこの使いにくいインターフェイスを使い続けているのです。壮大な無駄ではないでしょうか?
3.どうすれば良いか?(1)
このことに疑問を持っている人も少なからずいて、プログラムやファイル・フォルダにアクセスするために、別のインターフェイスを提供するソフトがあります。それは「ランチャー」と呼ばれるもので、さまざまなタイプのものがあります。
メニュー形式のもの、パレット形式、ホットキーを使うもの、コマンド入力式のものなど色々な方式があります。また、単にアプリやファイル・フォルダにアクセスするだけではなく、クリップボードの履歴を管理したり、Windowsの機能を呼び出せるものなど多機能のものがあります。
実は、私も長年このランチャーを使っており、デスクトップは何も表示しないようにしていました。
この効果は非常に大きく、デスクトップのアプリの起動の手順と比べると以下のように効率化されます。
①ランチャーを起動する(通常はホットキーなど)
②ランチャーからアプリを起動する(簡単なキー操作またはマウス操作)
このように、作業中のウィンドウを操作することなく、数秒で任意のアプリを開くことができるのは、非常に効率的です。
この記事でも今まで使ってきたランチャーを紹介しようと思っていたのですが、最近ランチャーについても疑問を持つようになっていたので、改めてどうすれば良いのか考えてみました。
4.どうすれば良いか?(2)
何が変ったのかというと、私の多くの作業はクラウドで行なうようになり、アプリの起動も少なくなり、ファイル・フォルダもクラウド上のものを使うようになってきたのです。実際に作成する文書は、ここ3年ほどはほとんどがクラウド上で作成しているので、作業するときもローカルのファイルにはアクセスすることが少なくなってきました。また、作成するツールもクラウドにあるので、ローカルのアプリを起動することも少なくなりました。それでも、いくつかの作業はローカルやファイルサーバーで行なわなければなりません。
つまり、ランチャーに求めることは最低限の機能だけで良いということになってきたのです。そこで機能が絞られていて軽いランチャーに切り替えていったのですが(最終はPStartという小さなソフト)、たった10程度のアプリやフォルダを登録して使うのに、わざわざソフトを使うことにも疑問がわいてきました。ソフトをインストール(またはコピー)して、使い方を覚えて、アプリを登録して、といった手間をかける価値が無くなってきたのです。
そこでOSが提供している機能、つまりWindowsのスタートメニューを使うという方法を使っている人も出てきました。ランチャーとほぼ同じ操作でアプリを起動できますし、最近使用したファイルなどにもアクセスしやすくなっています。windowsキーを使えばキー操作だけでアクセスできます。スタートメニューを活用するというのが一つの答えになります。
5.どうすれば良いか?(3)
スタートメニューを使うことにより、あらかじめインストールされているアプリやExcelで最近使ったファイルへのアクセスが簡単になったり、Windowsの機能(コントロールパネル)にアクセスしやすくなるので、これはこれでいいのですが、自分で良く使うアプリだけに絞り込まれて、良く使うファイルやフォルダだけが見えるようにしたいとも思います。簡単なことですが、これを行なう究極の方法は単に「フォルダを作る」という方法です。
デスクトップもフォルダであったことを考えると、試行錯誤の結果、フォルダに回帰してしまいました。では、フォルダを使い、操作性を上げる具体的な方法を説明します。
(1)登録
良く使うアプリやファイル・フォルダのショートカットを、特定のフォルダに集めます。
(2)ショートカットキーの設定
上記のフォルダのショートカットを作成し、そのショートカットに起動するショートカットキーを割り当てます。
これまで、この方法は色んなところで紹介されてきていますが、フォルダやファイルにショートカットキーを割り当てるということに留まっているようです。これでは、多くのフォルダやファイルにアクセスするために、たくさんのショートカットキーを覚える必要があります。
そうではなく、デスクトップと同様に、いろんなフォルダやファイル、アプリケーションにアクセスする専用のフォルダを作成し、それをショートカットキーで呼び出すようにすれば、ショートカットキーは一つ覚えればすみます。
言いかえれば、自分専用のデスクトップ用フォルダをショートカットキー一発で呼び出すという方法です。
今改めて簡単なアプリ起動と良く使うファイル・フォルダにアクセスするには、これが非常に簡単な方法だと考えるにいたりました。実際に作成したフォルダにアクセスしてアプリを起動するところを具体的に動画で紹介します。
①ショートカットキーで専用フォルダを開く
S、Cが表示されるのはホームポジションキーパーによります。
今回は「Shift+Control+J」にショートカットキーを割り当ててます。
②起動したいアプリのショートカットの先頭文字を入れる(この場合afxの「a」)
③Enterキーを押す
実に簡単にアプリを起動することができます。ラウンチャーの導入もありませんし、新たなアプリやフォルダ・ファイルの登録もショートカットを追加するだけです。
同じような機能のデスクトップに比べるとはるかに使いやすいと思います。
以下が現在の私のデスクトップです。何も表示されていませんが全く困りません。
この方法の残された問題として、ショートカットは全て絶対パスでしか指定できないことです。普通は困らないのですが、ポータブルなアプリをUSBなどで持ち運ぶ際には相対パスで起動できるショートカットが欲しくなります。方法はいくつか考えられるので、解決策を考えてみます。
2回目のコメントです。
本投稿もまったく同感で,Tsurutaもデスクトップは無表示にしています。
デスクトップからの起動に生産性はないと思っているためです。
APLの起動の結論だけ少し違っていて,私は以下を使用しています。
CraftLaunch
ttps://sites.google.com/site/craftware/clnch
ショートカットとの相違点は,引数を与えることでURLへの可変指定が与えられる点です。あとはおそらく大差ありません。好みの問題になります。