先日、azasuという日本語用スニペットツールをVectorに登録して公開しました。スニペットツールといえば、Daigoをすでに公開していますが、今回なぜまた新たに別のスニペットツールを開発したかについて数回に分けて記事を書こうと思います。
1 Daigoの方向性
1.1 Daigo開発の動機
Daigoを開発の動機は、スニペットツールとしてPhraseExpressを使っていたのですが、IMEとの相性が悪いところがあること、設定がかなり面倒なこと、無償で使えるけど広告が表示されることなどから、自分が使って便利だと思うツールを作りたくなったということです。
1.2 Daigoの方向性
初めてのスニペットツールの開発ということもあり、ヒントの表示が分かりやすいこと、機能をできるだけ盛り込むことなどに注力しました。リアルタイムヒントや反転文字のヒントなどはかなり分かりやすく軽く動作するのでそれなりの意味はあったと思います。このヒントに力を入れたのがDaigoの方向性で、たくさん辞書登録してもヒントにより思い出して使えるようになるといったことを狙っていました。
1.3 できるだけスニペットツールにまかせる?
Daigoを使っていて思ったのは、スニペットツールを使って入力効率を上げるにはどのような使い方をするのかということでした。たくさん辞書登録してできるだけ入力をスニペットツールで挿入すれば、タイプ量も減り入力効率が上がると考えて、かなりの量の定型文や単語を登録しました。この方法をしばらく続けて思ったのは、確かにタイプ量は減るけど、全部キーワードを憶えているわけではないので入力中にヒントを見てタイプする必要があり、思考の速度でタイプするような使い方はできないということでした。であれば、覚えきれない単語や定型文を登録してできるだけスニペットツールにまかせるといった方向性は入力効率を向上させるという点ではあまり効果的ではないのかもしれないと思い始めました。
2 azasuの方向性
2.1 覚えたものだけ素早く入力する
入力効率を向上させるという観点では、頻繁に使う単語や定型文に絞り込み、キーワードを覚えてできるだけ素早く入力できるようにするのが効果的だと考えました。そのような使い方だとヒントを表示することは重要ではなく補助的なものになります。覚えたものだけに絞り込むということであれば、おそらく30ぐらいまでに絞り込み、しかもある程度の長さの単語や定型文を登録するのが効率的な使い方になるだろうと思います。
2.2 できるだけ邪魔しない
ヒントを表示することがそれほど重要ではなく補助的ということであれば、むしろできるだけ邪魔にならないように表示するほうが良いと考えました。普通の速度でタイプしたときは、azasuが裏で起動していることすら意識しないですむようなヒント表示することにしました。
2.3 確実に動作する
覚えたものを素早く入力するためには、スニペットツールにつきまとう誤発動をできるだけ少なくし、キーワードにできるだけ制限を少なくし、普通にタイプしていて自然に定型文を素早く挿入できるようにしようと考えました。
このようにDaigoとazasuは同じスニペットツールというカテゴリにありますが、その方向性はだいぶ違ったものになりました。次回の記事ではazasuの方向性を具体的にどのように仕様に反映させたかについて紹介していこうと思います。
azasuはVectorで公開しています。ここからダウンロードして利用することができます。
スニペットツールは見つけたらとりあえず使ってみる、という習性で
使わせて頂きました。
1つ、リクエストがあるのですが、azasuの開発方針と異なっていたらすみません。
同じキーワードに複数のスニペットを登録しておいて、ヒントから選べると言う使い方をしたいです。
例えば
mail
をキーワードとすると
それに、複数のメールアドレスを紐付けておいて、ヒントから洗濯して決定したいというものです。
キーワードによるカテゴリ分けのようなモノでしょうか。
アドレスごとに
mail meru malなどキーワードを分けても良いのですが、同じメールアドレスという括りに入るので、うろ覚えのことが多くなります。
なので、こういったよく使うかつ同カテゴリーのモノは1つのキーワードから選べると助かります。
実のところ、個人的にはスニペットツールでキーワードから選択できるかどうかでかなり使い勝手が変わってきますので、選択できるとありがたいです。
よろしくお願いします。
なるほどです。
「覚えたものを素早く入力する」といっても「メールアドレス」のようなカテゴリがあり、複数の入力候補がある場合は提案していただいたような方法が良いですね。
複数候補からの選択はキー操作じゃないとスニペットツールの意味がないですね。ここは工夫のしどころなので仕様をよく考えてぜひ次のバージョンアップで組み込みたいと思います。
ありがとうございました。