日本語入力改良 ART(3)

4.ローマ字単打(母音飛ばし)

ローマ字単打を見直すにあたり「学習コストを低くする」ことと「ローマ字入力からかけ離れない」ことを改めて配慮することにしました。その結果、以下のように子音にAがつくものを主体とすることにしました。

K :か T:た N:な H:は M:ま Y:や W:わ G:が Z:ざ J:じゃ F:ふぁ P:ぱ B:ば

母音飛ばしとは、子音の後に子音が続いた時に、自動的に前の子音にデフォルトの母音をつけて、ローマ字単打になるようにしたものです。

具体的には「または、」が「mth,」で入力できるようになります。つまり「m」という子音の次に「t」という子音を入力すれば、自動的にmのデフォルトの母音Aが出力され「ま」になるという方法です。ちなみにARTでは「。、」なども子音と同じ働きをして、直前の子音に母音を追加しますので、「mth,」が「または、」になります。

ただし、以下の3つの子音については、使用頻度からAとは別の母音との組合せにしました。

S:し D:で R:る

少し学習コストは上がりますが、これら3文字は非常に利用価値の高い単打になるので、別母音への割り当てとしました。

これらの単打で入力できるようになる例を紹介します。

しかし、(sks,) または、(mth,) しました。(smst.) 私が、(wtsg,) でしたが、(dstg,)など

また、単打は他の機能と組み合せて使う事も多いです。

やはり(yhri) パソコン(pskl) ばかり(bkri) できます(dkimsu) なりました。(nrimst.)など

さて、このときにH(は)にAZIKと同じように二重母音(うう)を割り当てていると、子音の後にHが続いた場合は、全て(うう)となってしまうので、「は」を使う機会が大幅に減ります。H(は)は特に助詞として使われることが非常に多いので、これを二重母音に割り当ててしまうのは、あまりにももったいないと考えました。同じ理由でK(か)、D(で)も使用頻度が非常に高いので、二重母音にして使えなくするのはやめて単打に割り当てました。

代わりに、V(未使用)、J(じゃ)、F(ふぁ)は、ほとんど使うことがないので、これらを二重母音に割り当てることにしたのです。また、AZIKで二重母音に使用する「W」「P」「Z」はいずれも単打ではあまり価値が無いので、単打と組み合わせて考えると合理的なキー配置であることは偶然ですがAZIKとの互換性が高くなり良かったです。

これで、今まで試行錯誤してきた日本語入力効率化の私なりの結論が出ました。私自身は、かなり入力効率が向上したので満足しています。しかしながら、この方法が世の中に広まるかどうかは、たいして自信はありません。それは、学習コストが低くローマ字と互換性が高くても、それなりの慣れと学習は必要だからです。

最後に上の緑色の段落をローマ字入力とARTで入力したらどうなるか見てみます。

korede,imamadesikousakugositekitanihongonyuuryokukouritukanowatasinarinoketurongademasita.watasijisinha,kanarinyuuryokukouritugakoujousitanodemanzokusiteimasu.sikasinagara,konohouhougayononakanihiromarukadoukaha,taisitejisinhanarimasenn.soreha,gakushuukosutogahikukuro-majitogokanseigatakakutemo,sorenarinonaretogakushuuhahituyoudakaradesu.

kored,immdsikpsakugostekitnihlgonycryokukprituknowtsnrinoketurlgdmst.wtsijisvh,knrinycryokukpritugakpjpstnodmzzokustwmsu.sksngra,konohphpgayononknihiromrkdpkhtqstejisvgaarimsf.soreh,gakushckosutoghikukuro-majitogokzswgtkkutemo,sorenrinonretogakushchhituypdakradsu.

 

ローマ字: 340打鍵
ART: 264打鍵
打鍵削減率: 22%程度

かなりの削減率ですし、ローマ字との互換性も高いと思います。
また、この方法に切り替えて数日が経過しましたが、かなり入力しやすいと感じています。

AZIKに始まり、ローマ字互換、そしてAR Tと随分色々試してみました。結論はシンプルなものになりましたが、シンプルであることは整理できたことだと思っています。

マニュアルを書いて、近日公開します。

5件のコメント

  1. こんにちは初めまして!

    楽に打てる方法はないかと調べているうちにここにたどり着きました。
    早速使ってみたところ、使い方がよくわからない部分が出てきたのですが、教えていただけないでしょうか?

    例えば「映画」と打ちたいのですが、「WG,」と入力した場合、「えいが、」になる場合と「わが、」になる場合があります。どうやら交互に「わが」、と「えいが」、になるようです。

    この場合解決策は、文頭で””確実に””「映画」と打ちたい場合、「EIG,」にするしかないのでしょうか?

    また、「k」や「d」、「s」、「h」などを押したはずがなぜか
    「あk」「あd」「うd」「えd」「いs」「あh」「えh」
    と不要なものまでついてくることが多いです。
    (毎回ではありません、しっかり「k」「d」「s」「h」など入力できる場合もあります)

    そのため例えば「どうぶつ」と打ちたくても「えどうぶつ」や「しずか」と打ったつもりが「いしずか」になっている場合が多々あります。

    何か法則の様なものがあるのでしょうが、いまいちよくわからずに本格的に手を出せずにいます。

    何か解決策をご存じでしたら、教えていただけませんか?

    1. ご指摘ありがとうございます。
      ARTの機能は日本語に関することですので、将来的にはDimeの拡張機能にしようと考えています。
      少し時間がかかりそうですので気長にお待ちいただけるとありがたいです。

      1. Dimeをバージョンアップし、ARTの機能を組み込みました。
        こちらで、母音飛ばしもできますので、一度お試しください。

  2. AZIKから検索していてここにたどり着きました。母音を飛ばして打鍵して平均20%減できるのは素晴らしいアイデアだと思います。Google日本語入力に売り込めるのではと思うくらいです。ただローマ字テーブルを入れ替えるだけでは実現できないので、IMEに入力するFEPのようなもの?として実装されるのですよね。
    現状のARTだけでもぜひ試してみたいのですが、どこからダウンロードできるのでしょうか?

    1. ARTの機能は、Vectorに登録しています「ホームポジションキーパー」に実装しています。
      しかし、バグがあること、機能的に不十分なところがあるので、日本語入力環境としてDimeに実装することにしました。
      現在、ほぼ完成しましたので、近々Dimeに実装して公開します。

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