3.AZIKへの移行
(1)ステップ1 Q(ん)X(っ)
ここで、更に確実で早い入力ができるようにAZIKの専用キーを覚える段階に入りますが、ARTにおけるAZIKでは、Q(ん)、X(っ)が特殊な入力になるので、最初に覚える必要があります。それぞれ単独で括弧の中の文字が出力されます。これはARTでは、Nに別の機能が割り当てられることと、子音の連続で「っ」が入力できなくなるからです。
長押しをOFFにすると、このことが最も影響が大きいので、この2つのキーだけは、早目に習得する必要があります。実際には「っ」の入力は慣れれば子音の連続より楽になりますし(例えば「っっっ」などを入力するのは非常に楽になります)、「ん」の入力も同様に「んんんん」が素早く入力できるようになります。
因みに、正当なAZIKでは「っ」は「;」(セミコロン)を使いますが、ホームポジションキーパーではセミコロンをEnterキーとして利用しているので使えないので「X」にしました。
セミコロンはホームポジションから動かさないで押せる貴重なキーですのでEnterに割り付けたのは正解だと思います。「っ」を入力する頻度であれば「X」で充分です。
(2)ステップ2 Z(あん 撥音)とQ(あい 二重母音)
長押しで覚えた撥音と二重母音(あい)を担うキーを最初にマスターします。長押しで両者のキーの有効性が分かっていますし、2つのキーだけ覚えるので、それほどハードルは高くありません。
まず撥音はAZIKではAの近くのZに割り当てられているので、自然に指が動くので学習コストは比較的低いとされています。
次に二重母音「あい」ですが、これもAZIKで定義されているQを使います。これもAの近くで指が自然に動くというのがQにした理由のようです。
一度にたくさん覚えようとせずに、まずは長押しでマスターしたこの2つの専用キーに慣れるのが良いと思います。長押しのときに感じていた入力速度の低下またはミスタイプが専用キーに移行することにより、全く無くなるという別の「楽しさ」を感じることができると思います。
(3)ステップ3 W(えい) P(おう)
ここからが、少し大変ですが既に2つの専用キーを覚えて慣れてきたならば、新たなキーを覚えることは、それほど苦痛では無くなっているかも知れません。
それでもまずは効果が大きく、比較的覚えやすいキーからマスターするのが良いので、お勧めはW(えい)とP(おう)です。「えい」(EI)に近いW、「おう」(OU)に近いPですので、こちらも自然に指が動きます。その効果は…
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など非常に応用範囲は広いです。
ここまでマスターすれば、AZIKで入力するのが楽しくなると思います。
(4)ステップ3 撥音 J(うん) L(おん)
これはZ(あん)で覚えた撥音です。JキーはUキーの下、LキーはOキーの下ということで、比較的覚えやすいということで割り当てられています。
同様に撥音は多いので効果はすぐに分かります。
ここまではAZIKと互換性のあるキー配置ですが、残りの二重母音、撥音はARTで変更しています。そしてそれには重要な理由もあるのです。
(5)ステップ4 撥音 V(いん) F(えん) 二重母音 C(うう)
これらは、AZIKでは覚えやすいという理由で別のキーに割り当てられています。それぞれVはK(Iの近く)、FはD(Eの近く)、CはH(Uの近く)となっています。確かに覚えやすいのですが、次に説明するローマ字単打(母音飛ばし)でK、D、Hは非常に重要なキーとなり、ローマ字単打からはずすには、あまりにも価値が大きすぎます。そこでローマ字単打でほとんど利用価値のないV、F、Cを割り当てました。これについては、次のローマ字単打で詳しく説明します。
ただ、V、Fは非常に入力しやすいキーですので、撥音に割り当てると入力しやすいという利点もありました。
次は、いよいよAZIKにはないローマ字単打の機能について説明しますが、長くなりましたので次の記事で書きます。