理想のキーボード環境を求めて(14)

・ローマ字入力限界の緩和
日本語入力効率を上げるためにはさまざまな入力方式が考案されており、打鍵数や動作数を減らすことができることは実証されています。

また、このような配列を変更するソフトの中にはレジストリやIMEの設定を変更しなくても良いものがあることが分かりました。

つまり、同じことを今回見直しているツールでも実装することができることが分かりました。

では、どのようなキー配列を採用するかですが、それぞれ一長一短があるのですが、色々関連情報を調べているうちに次のような方針にすることにしました。

①学習コストが低いこと
②ローマ字入力からかけ離れないこと

逆に言うと、学習コストが高く、ローマ字入力からかけ離れるといった場合は次のことを覚悟しなければなりません。

①それなりの学習時間をかけること
②環境の無いところではローマ字入力に頭を切り替えることが必要

上記のデメリットを覚悟すれば、入力効率の良いキー配列はいくつかありますが、そこまでして打鍵数を下げることよりも、IME辞書の活用や、スニペットツールを活用することにより打鍵数を下げるような組み合わせの方がトータルでメリットがあると考えました。

そこで、この2つを満たすものとして有名なAZIKという入力方法を採用することにしました。
ただ、個人的な好みもありますが、実装に際してはAZIKから以下の点を変更・追加しました。

①変更したもの
・「っ」
AZIKでは「;」に割り当てられてますが、右手小指のホームポジションという非常に利用価値の高い配置ですので、本ツールでは「Enter」キーに割り当てました。

「っ」の入力には「X」を割り当てました。
AZIKでは「X」は「しゃ Xa、しゅ Xu、しょ Xo」などの入力に使いますが、標準的なローマ字入力では無いので後述の「H」をそのまま使い「sha しゃ」などの入力を残しました。

・「uu」
AZIKでは「H」に割り当てられてますが「sh」による入力に慣れている私には「H」キーが他の機能に割り当てられるのはかなり辛いと感じました。
「H」に比較的近くの「B」キーに割り当てました。

・「ー」(長音記号)
「ホームポジションで全ての操作」を目指していましたので「:」キーを使用することはあきらめました。
使用頻度が高いので、比較的入力しやすい「V」キーを割り当てました。
日本語入力時に「v」を入力するには(ヴァイオリンなどの入力のため)「V」キーの長押しで「v」を入力できるようにしました。

②追加したもの
・拗音(ya yu yo yuu you)
これらは頻繁に入力する必要があるにも関わらずローマ字入力では入力しづらい打鍵になります。
ちなみに「入力」では「nyuuryoku」9打鍵になります。
以下のように標準のAZIKで使用していないキーを割り当てました。

「ya」 y
「yu」 t
「yo」 r
「yuu」 g
「you」 f

これにより「入力」は「ngrrku」の6打鍵になりますし、比較的入力しやすい配置となりました。

中根式スピードメモ法
中根式スピードメモ法は、メモを素早く取るために速記という学習コストの高いものではなく、ちょっとした工夫でスピードメモが可能になる方法です。

「学習コストが低い」「それなりの効果が得られる」というのはAZIKとも通じる思想だと思います。

この中から、空いているキーに以下のものを割り当てました。

「eki」 c
「oku」 m
「etu」 ,
「ati」 .
「aku」 /
これらのキーの中には入力しづらいものもありますので、おまけ程度と考えています。

個人的には「cm/」の利用頻度が高いようです。
例:「比較的」 hik/tc 「目的」 mmtc

AZIKは確かに学習コストが低いので、比較的早く打鍵数を下げることができますが、飛躍的に入力効率をあげるには、辞書の活用やスニペットツールが必要であると考えます。

特にスニペットツールはとても入力効率が上がるので、このブログで紹介したいと考えています。

また、全てのキーにAZIKの機能を割り当てるとミスタイプのときの修正コストが高くなるようにも感じています。

6件のコメント

  1. こんにちは、この書き込みは普通のローマ字入力ですが、ホームポジションキーパーの発想が好きで遊んでおります。
    AZIK風入力を試してみていますが、これは慣れが必要な点がありますね。
    おもしろかったのは、例えば、銀行に行ってくる。という文を書くときなど、gkkpniixtekuru.という感じで書き込めるので便利ですが、直後にもう一度、銀行に行ってくる。を書こうとすると、gキーの機能が切り替わっていますので、打ち直しが必要になりますね。
    こちらが気付かないだけで、こういうときの対処法が秘かにあったりするものでしょうか。
    とりあえず、ついで程度に考えてくださいとのことでしたので、今は暇なときに使って遊んでいるだけなのですが。

     それにしても、Ctrlキー、Altキー、Shiftキーなどの同時押しがやりやすいこと、F1からF12までのキーも押しやすい位置に来ること、Escキーも押しやすいことなど、便利で助かります。

    1. アイリスさん
      ホームポジションキーパーご利用いただいてありがとうございます。

      実は、AZIKは私自身は使っていません(^^ゞ
      というのも「ローマ字単打」を作ったので、もっぱらそちらを使っています。
      AZIKとは、動作が矛盾するので同時に使えないので、私はすっかりローマ字単打に慣れてしまいました。

      コメントで嬉しかったのはCtrlキー、Altキー、Shiftキーなどの同時押しやファンクションキー、Escキーの使いがってを評価頂いたことです。
      特に「Ctrlキーの位置」について色々なこだわりがある人が多いですが、一度この方法に慣れてしまうとキーボードを選ばないのでとても便利だと自分では考えてました。
      あまりにもマニアックなので評価はされないだろうと思っていましたので、とても嬉しいです。

      最新バージョンではアルファベットとスペースキーの組み合わせは初期設定ファイルでカスタマイズできるので、更に多くの人に使ってもらえるのではと考えています。
      今後ともよろしくお願いします。

    2. アイリスさん
      この動作はバグですね。
      キーマップを見ると「G」は「yuu」ですから、Azik動作中と判定して2回目の「G」を「yuu」(ゆう) としています。
      Azikには他にもバグがあるようですので、次のバージョンで修正を試みます。

  2.  こんにちは、返信くださいましてありがとうございます。
    このAZIK、あまりお使いになっていなかったのですか。
    それならば動きについてチェックすることはできないわけですね。
    実はローマ字単打もそうですが、キーマップについて書かれたものは、画像になっているようですのでこちらは自力で読むことができず、動きを確かめながら、それをエディターにメモしていきました。
    改良版のAZIKも楽しみにしております。
    AZIKはこれで入力法がわかりましたが、ローマ字単打はまだ手間取っております。
    もしかすると、そのうち理解できるかもしれませんが、画像から文字解析を行っても、十分に読める状態にはできないようですので、少し時間がかかるかもしれません。
    画面ぐらいふつう見るだろうという感じですが、ちょっとこちらも、通常では考えられないパソコンの使い方をしております。

    1. と書いたところですが、自分のコメントに付け加えです。
      ローマ字単打、段々わかってきました。
      そういうことなのですね。
      これはいいかもしれませんね。
      直接入力できるものはそのまま、そうでないものはローマ字入力、ということなのですね。
      指を動かす範囲も狭くできますのでとてもうれしい入力法です。

      1. アイリスさん

        今では、ローマ字互換単打が無いと入力しずらくなっています。
        が、自分でやってみて思ったのですが「やりすぎ」は良くないかも知れません。

        少し入力効率があがれば良いと考え、R:る T:た S:し K:か D:で H:は M:ま といったローマ字入力と互換のあるキーだけ使うのが良いかもしれません。

        というのも、私は他のキーの単打も使っているので、普通のローマ字入力をしにくくなってきてます。
        あくまでも「互換」にとどまるほうが、他の環境にいったときにとまどわないと思います。

        私は自分でつくったのですから、他の環境になったときは我慢するという選択をしました。

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