理想のキーボード環境を求めて(7)

・キーボードの奇妙な秘密
右手小指には多くのキーが割り当てられているのに「ホームポジションのキーしか使わない」という厳しい制限で組合せを考えていると、気になるキーが出てきました。

(1)0の謎
なぜか「0(ゼロ)」キーのみシフトキーとの組合せには何も指定されていません。実は、PCのOSがWindows主流になったときに、文字コードがJISの8ビットしか出力しないことになったことになりました。

それまでは、IBMのEBCDICコードを出力することを前提としたJIS106、109キーボードしかなく、0のシフトには「~(チルダ)」が割り当てられていました。

しかしWindowsでは、この「~」と「 ̄(オーバーライン 現在の^のシフト)」が同じコードになってしまい「~」(0のシフト)を押しても何も出力できなくなりました。

このキーボードの刻印と、Windowsで出力される文字のズレ、そしてインターネットの普及で「~」がURLで使用されるようになったので「0シフト何も出ない問題」は相当騒がれました。

そのため、Windowsの出力に合わせたJIS106A,109Aキーボードができて、現在は「0シフト何も出ない問題」は解決しました。そのため0は、唯一シフトを押しても何も出ないキーになってしまったのです。

このような経緯で0のシフトが空いているので、今回作成したツールでは「_」を割り当てました。

プログラムを書く場合は比較的良く使うので、標準の右下「¥」シフトよりも入力が、ややしやすくなるというメリットも出ました。

(2)¥と\の謎
さらに、キーの割り当てを検討していると、右下の「\(バックスラッシュ)」が気になりました。

このキーを押すと「¥」が入力されるのですが「¥」は右上にもあります。実際に入力されているコードをチェックしても同じ0x5Cが出力されています。
つまり、このキーは2つともに全く同じコードを出力するのでダブっているのです。

理由は0シフトと同じですが、こちらはキーの刻印がそのままなので、いまでもバックスラッシュを入力する方法がたびたび質問されています。
このキーのシフトが「_」でしたので、上記の通りシフトが空いている0に割り当てました。

(3)本当?の¥
この記事を書くまで知らなかったのですが、文字コード表を眺めていると不思議なことに気がつきました。それは、0x5C以外にもう一つの「¥」コード(0xA5)があることです。

調べてみると、フォントの設定で「¥」は「¥」と表示されたり「\」と表示されることがあるので、確実に「¥」と表示するためにあるとのことでした。
試しに、0x5Cと0xA5が混在するテキストをメモ帳で表示してみました。

フォントがArialの場合は、両方が違って表示されました。

フォントがMS Pゴシックでは、どちらも「¥」で表示されました。(幅は違いますね)

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